てにをはって難しい?

| 投稿者: うらの

先日、家族がこんな本を買ってきました。なになに、これ、なんなの?と思い、思わず手に取りページをめくってみました。

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もともとは日本語を学習している外国人向け、あるいは日本語教師のための書籍なのですが、日本語ネイティヴの私にとっても大変興味深く、つい手にとってしみじみと?読んでしまいました。
まず、助詞には格助詞、並列助詞、接続助詞、副助詞、終助詞、複合助詞があり、助詞と同様、単独では用いられないけれども語について意味を加えるものに接頭辞・接尾辞があるという分類から始まっています。そして、それぞれの助詞の役割(例:格助詞-主に名詞に付いて、他の語との関係を表す)と具体的な例文とともに機能が説明されています。たとえば「が」という格助詞であっても、「出来事や新たにわかったことなど、新事実を表す」機能(例:私浦野です)、「主語や話題を表す疑問詞に付いて疑問文を作る」機能(例:いついい?)に始まり、合計11もの機能があることが説明されています。へえ、確かにねえ。普段当たり前のように使っているけど、改めて概説を読むとその通りだなあと納得します。外国人が日本語を習得するのは本当に大変なことなんでしょうね。
転じて失語症の方に目を向けると、単に助詞の種類だけでなく、同じ助詞であっても機能により獲得(または障害)のされやすさは変わるのではないか、という疑問も生まれてきます。
言語聴覚士という、ことばを扱う仕事を目指す人には是非読んでいただきたい1冊です。抵抗感なく読める本だと思いますよ。

言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか

| 投稿者: うらの

ある日の失語・高次脳機能障害学Ⅰ(2年前期で学修します)でのひとコマです。聴力は正常でありながら、言語音の弁別(例:/da/と/ta/の弁別が出来ない)の障害の話をしたところ、とある学生から「オノマトペ(例:ワンワン、ニャーニャー、ザーザー)はどうなのか(=通常の言語音と同じ処理なのか)」という主旨の質問がありました。うーむ、深い質問がきましたね・・・。この件、この本の中で少し紹介されています。

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音の処理は左半球の上側頭溝周辺が重要な役割を担い、環境音(例:救急車のサイレン、動物の鳴き声)の認知は右半球の上側頭溝周辺が重要であるということは既に知られていることですが、オノマトペはどうなのか。筆者は機能的MRIをいう手法を用い、この点を検証しています。詳細は省略しますが、非常にざっくり言うと、大股で歩く動画に対し、その動画に合う「ずんずん」というオノマトペを一緒に見た場合、左右どちらの上側頭溝も活動するものの、左に比し右半球の上側頭溝で強い活動が認められたということのようです。すなわち、私達はオノマトペについて、言語音と環境音の二重処理をしているということになりますね。
この本、オノマトペを中心に、子どもがどのように言語を習得していくか、その過程でどんな誤用が生じるのか、日本語以外の他の国の言語ではどうなのか、などなど様々な視点から言語の本質に迫ろうとしている、非常に魅力的な1冊です。やや難しいところもあるかもしれませんが、言語聴覚士を目指そうとする人には是非、一度読んでいただきたいですね。
ちなみに私は、毎日通勤電車の中で読んでいたのですが、つい本の中に入り込みすぎてしまい、自宅最寄り駅に到着しながらも全く気づかず、気がついたら2駅先だったことがありました・・・。

発声発語障害学Ⅲの検査演習(続)

| 投稿者: とやま

5月27日から始まった標準ディサースリア検査(AMSD)の検査演習も来週で一区切り➰▷発声発語障害学Ⅲの検査演習
受講生2名がペアを組み、今週までに計4コマの演習を実施しました。

検査演習を通して➰👀 言語聴覚士役の学生
「口腔内を触る時の力加減が難しい、不快感や負担感を与えないように気をつけたい」、「運動の回数を数えながら記録をとることが難しい」、「検査用具の衛生管理に気をつけたい」 などの感想が寄せられました。

また、患者役の学生からも 「言語聴覚士役も疲れるが患者役はもっと疲れる、患者さんの負担を最小限に抑えなければならないと感じた」、「検査中に励ましてもらえると頑張れる!」、「バイトブロックの挿入位置によって噛みやすさが全然違う」、「打診器でガツンと叩かれると痛い!」 といったリアクション📩

言語聴覚士役と患者役の双方を経験することで、新たな気づき&学ぶべき内容がありますね✨

来週の発声発語障害学Ⅲは、標準ディサースリア検査(AMSD)を全項目実施
その後、標準失語症検査補助テスト(SLTA-ST)の「発声発語器官および構音の検査」 の演習へと進みます。
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標準ディサースリア検査(AMSD)▶︎ 標準失語症検査補助テスト(SLTA-ST)
使用する検査が変わっても、発声発語器官の観察ポイントは不変です!

来週の検査演習も頑張ろう 

実習の振り返り

| 投稿者: うらの

4年生のほとんどが今月中旬頃、4週間の臨床実習から帰学しました。あー終わった終わった、ではありません。昔、遠足が終わって学校に戻ってきた時、先生が必ず言いましたよね。「これで終わりではありません。家に無事に帰るまでが遠足です」と。そうです、臨床実習もそれと同じです。学校に戻ってきてもまだ実習は終わっていません。実習での学びと気づき、自身の課題と今後に向けた展望を整理し終わるところまでが実習です。
帰学後、学生は担当教員と面談を繰り返し、実習でどんな患者さんを見せていただいたか、どんな検査をさせていただいたか、どういうところがうまくいかなかったのか、どんな勉強が足りていなかったのか、指導者の先生からどんなご指導をいただいたのか・・・様々なことを整理しました。うまく言語化できなかったり、考えが充分整理できていなかった学生も、教員との面談で少しずつ考えがまとまってきたり、自分の言葉で気づきを述べられるようになってきました。
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教員との振り返り面談を終え、いよいよ締めくくりは口頭試問です。教員からのいくつかの質問に、学生は緊張した面持ちで一生懸命答えます。実習振り返りの集大成ですね。厳しい言い方になりますが、「わかっているけどうまく言葉に出来ない」はありません。他者に分かるよう、考えを分かりやすくまとめて言語化できて初めて、本当に「わかった」ことになるといえます。4年生ひとりひとりが自身の学びや課題をしっかり言語化できる様子を口頭試問で確認することができ、教員として本当に嬉しく思いました。
この調子で是非、次の実習も乗り切ってほしいものだと思います。

発声発語障害学Ⅲの検査演習

| 投稿者: とやま

3年生の発声発語障害学Ⅲでは、いよいよ構音検査の演習が始まります。
発声発語障害学? 今月の授業見学会で見ていただいた(あの?)科目です👀
▷ 5月6日 授業見学会を開催します

発声発語障害学Ⅲは、発声発語器官(ことばを話すための器官)の構造と神経・筋肉、病理学などの復習 → dysarthriaの定義と特徴(授業見学会の内容)を経て、運動の観察と声の評価までを学びました。
来週月曜からペア・ワークによる検査演習が始まります。
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検査演習では、話し方や声の特徴に加えて、口・顔面の動きを観察したり、呼吸回数を数えたり、鼻からの息漏れを測定したりと、ことばを話すための機能を項目ごとに観察・評価します。

来週の発声発語障害学Ⅲで演習する検査は、標準ディサースリア検査(AMSD)
4年生の外部臨床実習で(実際の患者さんを相手に)実施するかもしれないメジャーな検査です。
検査演習の後は、1人で実施できるようになるまで練習を重ねましょう 

切手は今いくら?

| 投稿者: うらの

実習から帰ってきた4年生は、お世話になった先生方に感謝の思いを込めてお礼状を書いています。今はLINEやメールで全て事足りてしまう時代です。直筆の手紙を書くという習慣がなかった学生も少なくありません。しかし、それぞれが先生方にご指導いただいた具体的な内容やエピソード、自身が一番印象に残った出来事、そして至らない点の反省と今後の抱負を懸命に綴っています。
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まずは文章を考えて下書きをした後、念入りに便箋に清書をして封筒に入れ、切手を貼って投函します。「先生、切手っていくらのを貼るんでしたっけ?」と質問してきた学生もいました。ここ数年、じわじわ値上げが続いていますから、正解を言うまでに私も一瞬頭で考えてしまいました。正解はこの値段です。
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お世話になった方にきちんとお礼状を出すことはとても大切なマナーです。大学では言語聴覚学全般のみならず、社会人としてのマナーもきちんと学んでいきます。

 

脳が言葉を取り戻すとき 失語症のカルテから

| 投稿者: うらの

私は臨床を30年しておりますが、若い時から今に至るまで、ずっと「バイブル」としている本があります。それが「脳が言葉を取り戻すとき 失語症のカルテから」。
著者は私が尊敬する大先輩の先生です。
人が脳損傷により失語症となった後、どのように言葉が失われるのか。そしてどのようなリハビリテーションにより、どのように回復していくのか。そして病院を出た後、社会や家庭でどんな問題に遭遇するのか、どんなサポートを必要としているのか。著者の豊かな臨床経験をもとに、様々なエピソードを交えながら分かりやすく記載されています。
大脳や医学的側面に関する記載や、失語症に関する詳細な説明も豊富です。実際の言語訓練も記載されていますので、今、失語症を勉強している本学2年生にはちょうどいいかもしれません。東京工科大学で勉強してSTになろうかな、失語症ってどんなのかな、と思っている高校生の皆さんも、ちょっと難解な箇所もあるかもしれませんが、読みやすいところから読んでみるのもひとつの手ですよ。

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本日の実習施設訪問②

| 投稿者: とやま

GW明け➰今週も4年生の臨床実習は続いています。
▷ 本日の実習施設訪問 (4月26日)

本日の訪問先は横浜市鶴見区 🏥 🚃💨 🏢
蒲田キャンパスがある東京都大田区は、神奈川県へのアクセスが抜群です✨
蒲田駅から鶴見駅までJR京浜東北線で8分 ➰ 本日は鶴見駅でJR鶴見線に乗り換えました🚉

5月10日は全国的にお出かけ日和☀️ 肌を撫でる風が心地よいですね〜🌱
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前回の訪問施設と同じく、実習指導者の先生は学生の様子をよく観察されていて、的確な指導を丁寧にしてくださっていました。

学生面談では、「大脳皮質(中心前回)が直接損傷されていなくても、放線冠や内包の損傷によって運動の問題が生じることがよく分かりました」、「dysarthriaに発語失行を合併していないかどうかの判断が難しいです」、「大学では教員から与えられた情報をもとに考えていましたが、実習は必要な情報を自分から収集していかなければならないことに大変さを感じます(自分で考えて判断すること、判断の根拠を示すことが難しいです)」など、自身の課題への気づきがあったようです。

学内演習では経験することのできない “生きた学び” ➰ 実習指導者の先生に感謝です🙇
学生も専門用語の使用が板に付いてきましたね。
帰学後の振り返りが楽しみです ♬👣✨

よし、来週の実習も頑張ろう ᕦ(ò_óˇ)ᕤ

本日の実習施設訪問

| 投稿者: とやま

4年生は臨床実習(20日間)の真っ最中です✨
▷ 言語聴覚臨床実習Ⅱが始まります

臨床実習の期間中は、教員が学生の実習施設を訪問して、実習の進捗に関する共有や相談・対応を行います。学生が頑張っている姿を見聞きすることで、学生の成長を直に感じるとともに、学生の臨床的課題を知る機会にもなります。
身だしなみを整え、実習施設(本日の訪問先は医療機関)内で実習着に身を包んだ姿は、学内演習の時よりも頼もしく見えますね ᕦ(ò_óˇ)ᕤ

本日の訪問先は埼玉県 🏥 🚃💨 🏢
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実習指導者の先生は、学生の様子をよく観察されていて、的確な助言や指導を丁寧にしてくださっていました。学生も、「世代が異なる患者さんと何を話せば良いのか?(不快感を与えないような話題を展開したい)」、「緩和ケアの患者さんへの声がけはどうしたら良いのか?」 など、自身の課題を見つけていました。学内演習では経験することのできない学びです✨

臨床実習に出ている4年生は、1年生〜3年生の学びを経て今に至ります。
4年生に至るまでの学修(言語聴覚学専攻の専門科目の授業)に興味を抱いている高校生の皆さま、5月6日の授業見学会がお勧めです。
▷ 5月6日 授業見学会を開催します(参加受付中)

授業見学の応募、今からでも間に合いますよ〜

違いを楽しもう

| 投稿者: うらの

新年度、皆さんは新しい環境や新しい学年の勉強、お友達に慣れてきましたでしょうか。
そういう私も心機一転、何人かの学生と面談をしました。以下、ある日のひとコマです。

(私)で、好きなことや趣味はあるのかな?
(学生)あ、サバゲ―がとても好きです。

さあ大変。この一言を聴き、私の脳内にはこのような映像が浮かんでしまいました。
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少し話を進めるうちに徐々にサバイバルゲームのことだと分かり、上記のような誤った映像を別のものに描き替えていくことが出来ました。
自分とは異なる年齢や性別、趣味や価値観の人と接することは、新たな学びや視野を広げる絶好のチャンスです。私はその学生から、サバイバルゲームは「サバゲ―」と略すこと、そして、私が未だやったことのない「サバゲ―」がどんなものであるかを学びました。
言語聴覚士は様々な患者さんや対象児者やそのご家族と接する職業です。「普通はこうだと思う」と決めつけたり、「私とは少し違う」と後ずさりするのではなく、予想外の出来事や自分との違いを楽しめるような、大きな心を持ってほしいと思います。

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