模擬患者との会話練習

| 投稿者: とやま

12月4日の実習事前指導では、教員が一般高齢者や失語症者になりきって、3年生の会話練習を行いました。

私の担当は「話しことばの理解は比較的良いものの、自分から話そうとするとことば出てこない失語症患者さんの役」です。
3年生には事前に氏名と年齢情報を伝え、あとは会話をしながら患者さんの発話を引き出していきます。

私の印象としては、模擬患者を質問攻めにしてしまう学生が多かったように思います。
1人6分間の持ち時間で、下記のような一問一答が繰り返されました。
「ご出身はどちらですか?」
「お昼ご飯は何を食べましたか?」
「趣味は何ですか? 好きなスポーツは何ですか?」
「リハビリの時間以外は何をして過ごしていますか?」
「どのようなお仕事をされていましたか?」

会話練習のために地図を持参したり、模擬患者の返答に共感したり、自身の話を混ぜながら会話を展開したりする学生はごく一部でしたが、そのような「やりとり」をしてもらえると、模擬患者としては「うまく言葉は出ないけど、これも話してみようかな」という気持ちになります。

私は、石川県出身・東京都在住 72歳の設定で会話に臨みました。
学生から「私も石川県には行ったことがありますよー、金沢駅には有名な門がありますよね・・・えっと何でしたっけ?」と言われると、頑張って「鼓門」と答えたくなります。患者さんであってもなくても、自信が興味・関心を有する話題や地元の話題について、相手が興味を抱いていると分かると会話は楽しくなりますね🎶

実は先週に引き続き、昨日〜本日も金沢市の開業耳鼻咽喉科医院(言語聴覚外来)へ出張していました。
昨夜、学生との会話を思い出して、ライトアップした鼓門の写真を撮ってみましたー📱

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金沢ネタ以外にも「自分の祖父と同じ世代です!」と言ってくれた学生もいましたが、「祖父の世代が何を経験したのか分からず、それ以上は話を膨らませることができませんでした」と振り返っていました。準備すべきことが一つ見つかりましたね。

実習施設の利用者層の情報を調べたり、年齢に応じた話題を検索したり、はたまた地図や写真を用意しておくだけでも、会話練習の準備になります。
臨床実習までに会話の引き出しを増やそうねー

マンガでわかる!認知症の人が見ている世界

| 投稿者: うらの

言語聴覚療法の対象者は0歳から超高齢者まで、全ての年齢層となります。乳幼児期の対応もとても大切ですが、高齢者の対応ももはや欠くことは出来ません。そう遠くない将来、高齢者の14~15%が認知症を占めるようになるとも言われています。かつて認知症は「リハビリテーションの対象外」とされてきた時代がありました。しかし、今やSTが認知症の評価やリハビリテーションを行うのは「当たり前」「必須」の時代です。皆さんのご近所やお身内に認知症の方がいらっしゃるのと同じように、地域や病院、施設にも認知症の方は当たり前にいらっしゃるからです。認知症ってどんな症状なんだろう、認知症の症状はどうして起こるのだろう、認知症の人にはどのように接したらいいのだろう・・・。そんな疑問を丁寧に分かりやすく説明しているのがこの本です。

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この本のいいところは、何といってもとっつきやすいところです。マンガが多く挿入されていますから、中学生・高校生の皆さんでも気軽に手に取って読むことが出来そうですね。「失語・高次脳機能障害学Ⅱ」でこれから認知症を学修する2年生も、先にこんな本を読んで軽く予習してみるのもいいかもしれません。

絶賛準備中!!

| 投稿者: うらの

3年生は年明けから実習に出るのですが、先週より「準備プログラム」が始まりました。
実習に際しての一般的な注意事項を聞いたり、実習に特に必要となる技術等を行ったり、はたまた自己学習をしたり。そんな中、今日は1期生(現在4年生)が実習のときどんな風だったのかについて、教員から話がありました。

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皆、真剣に耳を傾けて聞いています。他人事ではなくてわが身の問題として心にしみたことでしょう。後半は1期生が実習の時に書いた日誌や記録、準備学習の資料等の閲覧も行いました。

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先輩のいいところはぜひ取り入れながら、実習準備を進めてほしいものです。がんばれ!!

保育園実習に向けたシミュレーション演習を行いました

| 投稿者: かわかみ

ST専攻の2年生は、2月〜3月にかけて、4日間の保育園実習を行います。
私はそれに向けた準備科目である、コミュニケーション演習Ⅱという授業を担当しています。

この日は、学生が3人組になり、実習生役、子ども役(2歳:理解は年齢相応も発話無し)、撮影者の3役を役割交代しながら、それぞれの関わりについてグループ内でディスカションしました。

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子どもに絵本の読み聞かせをする場面

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子どもとおもちゃで遊ぶ場面

実習生役は、5分間、子どもの発達年齢や、コミュニケーション特性を踏まえて、自分が考えた関わりをし続けました。
学生達は皆、試行錯誤しながら、発語の少ない2歳の子ども役に対して、様々な工夫を考え、関わりを持っていました。

言語聴覚士は、対象となる方の能力や特性に合わせた関わりから、その方のコミュニケーション能力を育む職業です。
保育園実習は、その第一歩!

言語聴覚士を目指す学生として一歩ずつ成長していくことを期待しています。

臨床実習Ⅰの通勤経路確認・現地調査

| 投稿者: とやま

今週12日に臨床実習施設Ⅰ〜Ⅲの発表があり、昨日は臨床実習オリエンテーションを実施しました。今日は、臨床実習Ⅰの通勤経路確認・現地調査日です。

臨床実習では、普段使用している通学用定期とは別に実習用定期を申請します(通学で使用している自宅最寄駅〜JR蒲田駅/京急蒲田駅の沿線に実習施設があるとは限りません)。

実習施設の始業時刻までに到着できるように自宅を出発し、どのくらい時間がかかるのか? 乗り継ぎはどうか? 電車やバスの本数は? 混み具合は?などの確認を行い、実際の通勤時間帯で経路を確認 ➰ 実習定期の申請に反映させます。

実習施設職員や施設利用者の迷惑にならないよう(施設内には立ち入らず)自宅〜正面玄関が見える位置までの経路&時間確認となります。
施設職員通勤バスを利用させていただける施設であっても、今日は路線バスで向かいます。公共交通機関の遅延等により職員バスの出発時刻に間に合わない場合、路線バスで移動せざるを得なくなることがその理由です。あらかじめ確認しておくことで、万が一そのような事態になっても、経路と到着予定時刻を実習指導者に(慌てず落ち着いて)連絡できるようになります。
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昨日の実習オリエンテーションでは、通勤途中の喫煙禁止、バスや電車内での化粧や飲食の禁止も伝えました(朝バタバタしてご飯が食べられなくても、バスや電車内でおにぎりを食べてはいけません)。
安定した生活リズム&就寝・起床時刻の管理、感染対策は臨床実習のキホンの「キ」です!

それでは、来週も臨床実習に向けた準備を進めていきましょう

3年生の後期試験が始まりました

| 投稿者: とやま

今週から3年生の後期試験が始まりました。
一昨日は言語聴覚総合演習Ⅱの実技試験、そして昨日は摂食嚥下障害学演習の試験でした。

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後期定期試験は通常1月に実施されますが、3年生は言語聴覚臨床実習Ⅰで大学を不在にするため、この時期に後期試験を実施しています。
今週〜来週の後期前半科目の試験を終えると、次は臨床実習指導者会議(12月13日)➰ 言語聴覚臨床実習の準備が待っています。

来週月曜は言語聴覚総合演習Ⅱの実技試験、火曜は摂食嚥下障害学、吃音学・・・
そして、後期試験の後は「言語聴覚臨床実習Ⅰ〜Ⅲ 実習施設」の発表です!

先金、朝晩の冷え込みが厳しさを増していますね。
体調管理を徹底して、まずは試験を乗り越えよう

第48回日本高次脳機能学会・参加記

| 投稿者: うらの

先日の外山先生のブログでも紹介されていましたが、11/8(金)~9(土)の2日間、第48回日本高次脳機能学会が開催されました。私は学会前日に役員会もありましたので、11/7(木)の昼頃には八王子入りしておりました。学会1日目には「木枯らし1号」が吹いたようですが、それを抜きにしても八王子は都心や横浜よりは若干寒かったですね。学会場では多くの先輩方・知人・友人・昔の実習生(今はST)・これから実習でお世話になる施設の先生方など、多数の先生方にお会いし、旧交を温めました。学会2日目には「VRと視線追跡による認知機能セルフチェッカー」の体験をしているところを外山先生に目撃されていたようですが、実はそれだけでなく、「足裏マッサージ機」も堪能していたのですよ・・・。
さて、今回の学会のテーマは「認知症理解のための高次機能障害学」でした。近年、「レカネマブ」というアルツハイマー病に対する新しい疾患修飾薬が認可され、臨床実用されていることは高校生・大学生の皆さんも報道などでちらっと見たことはあるかもしれませんね。この新薬が世に出たことにより、認知症の診療は大きな転換期を迎えたといってよいかと思います。従来の認知症診療の対象は「既に認知症になった人」でしたが、新薬の登場により、認知症の前段階の「軽度認知障害」に当たる人たちが対象になってきました。おそらく先々は「プレクリニカル期」といって、アミロイドPETという画像や脳脊髄液という検査の結果から、アルツハイマー病の病理があることが示されるものの、全く無症候の状態の人たちもターゲットになってくる日がくるでしょう。そうした時、適切な認知機能評価が出来る言語聴覚士の役割は今まで以上に重要になることは想像に難くありません。現在の高校生・大学生の皆さんが将来、言語聴覚士免許を取得し、仕事を始め、ある程度油が乗ったところには、そんな時代が来ているかも??しれませんね。高次脳機能障害学の知識は、認知症という症候・病態を理解するためにも、そして適切なリハビリテーションのためにも非常に有用であるということを改めて痛感させられた学会となりました。
私には、2日目の「リハビリテーション(2)」というセッションの座長というミッションもありました。どの演題も丁寧な臨床をし、患者さんの症状を適切に捉えている様子がよくうかがえました。

第49回日本高次脳機能学会は名古屋です。皆で名古屋へGo!!日本人の妙技?ともいえる「ティッシュ配り」が今回の学会場でもありました。

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嬉しいお客様!!

| 投稿者: うらの

11/3、4のかまた祭は大盛況に終わりました。
私も3日の午前中、手伝い(という名の見守り)に入りました。開会式終了後、少しずつお客様が入ってきて忙しくなり始めたその時、私がいたブースに近寄ってくるご夫婦がいらっしゃいました。「ようこそお越しくださいました」と接客モードに入ったその時!!ハッと気づきました。私が数年前、病院で担当していた患者さんとその奥様だということに!!私がこちらに勤めているということを知って、わざわざ見にいらしてくださったのですね。本当に嬉しい再会です。この方とは毎年、年賀状のやりとりを続けているのですが、リアルでお会いするのは本当に久しぶりのことでした。
ひとしきり再会を喜んだ後、再び出店の持ち場に戻ると、隣にいた学生がたずねてきました。「退院した後も患者さんと交流があったりするのですか?」と。まだ臨床をしたことのない学生からしてみたらなかなかピンとこないですよね。本当に有難いことですが、何年経っても年賀状や暑中見舞いを下さったり、ついでの折に私の臨床先を訪ねてくださったりする方が時々いらっしゃるのです。「微力ながら患者さんのお役に立ちたい」と思いながら臨床を長年してきましたが、実際には多くの患者さんやそのご家族の皆様に多くのことを教わり、支えていただきながら仕事をしてきたのだなあと、このたび改めて実感しました。
ちなみにこの患者さん、私が当時用意した訓練ノートを今も大事に持っていてくださるようです。本当に嬉しい限りです。

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The 62nd Annual Meeting of Academy of Aphasiaに参加しました

| 投稿者: うらの

10/18(金)~20(土)までの3日間、第62回のAcademy of Aphasiaが奈良で開催されました。あいにく、18日は大学の業務があり参加できませんでしたが、18日夜に奈良入りし、19・20日の2日間参加しました。私はこの学会に参加するのは初めてでしたので、どんな感じなのだろうかとわくわく・ドキドキしながら会場の「奈良春日野国際フォーラム甍 I・RA・KA」に向かいました。さすが奈良です。観光客もたくさんいますが、鹿もたくさんいました。
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これが看板、そしてプレゼンテーションのあったホールのスクリーンです。
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世界各地、20数か国から400人を超える参加者がいたと聴いています。
それぞれの研究者たちの発表から、自分がこれまで取り組んできたこと、そしてこれから取り組もうとしていることの位置づけを確認できました。
ポスター発表では私が共同演者になっていたものが2題ありました。どれも多くの人の関心を得て、活発なやりとりがなされました。
これから言語聴覚士になろうとする皆さんも是非、先々はご自分が臨床で取り組んできたことや疑問をまとめ、外で積極的に発表するような臨床家を目指してくださいね。

学習には仲間との協同も大切です

| 投稿者: うらの

皆さんは「自己学習」という言葉からどのようなイメージを連想するでしょうか。ひとりで机に向かい黙々と鉛筆を走らせる、誰とも喋らずに自身だけでひたすら頑張る・・・。そんなイメージかもしれませんね。それはそれで決して間違いではなく、むしろ、そのような姿勢が大事になる局面は学生生活の間にたくさんあります。たとえば定期試験や小テスト。国試の勉強も勿論そうですね。でも、学習の性質や種類によっては、他者との協力が必要なことがあります。そのひとつが「検査練習」です。

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写真の学生は、失語症の検査練習をしています。左の学生がST役、右の学生が患者さん役と都度役割を決め、実際の臨床の場面を想定しながら練習を進めています。この学生たちは決して今日1日だけではなく、いつも週に何日か練習に来ています。お友達同士、グループ同士で予定をすり合わせ、「よし、この日は検査!」と計画を立てているのでしょう。ひとりだとなかなかエンジンがかからなったり、時に面倒くさくなったりすることもあるかも?しれませんが、仲間と一緒だったらお互いに励まし合いながら前に進んでいくことができますね。
言語聴覚士を目指す高校生の皆さん。東京工科大学にはこのように熱心な先輩たちが在籍していますよ。是非皆さんも一緒に勉強してみませんか。

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