紙の辞書のススメ

| 投稿者: うらの

スマホ、PC、電子書籍、電子辞書。今は何もかもが電子ですね。大学でも講義に関する事柄、事務処理、会議、あらゆるものが電子ベースで行われています。昭和生まれのおばちゃん教員はなかなかすべてについていけるわけではなく、周りの先生方に教えていただきながら、たどたどしくも何とか使っているというのが正直なところです。
そんなアナログ人間の言い訳に聴こえるかもしれませんが、紙には紙の良さがあります。特に辞書。単に語の意味や読み方、書き方だけでなく、細かい用法やその語を使った慣用句、熟語、関連表現まで書いてあったりしますから、様々な場面で役立ちます。また、同じ言葉を複数の辞書で調べてみると、微妙に表現が違ったりするのもとても興味深いです。そして、何といってもペラペラとめくる時のあの手触りと質感、そして音が何とも言えません。勿論、かさばったり重かったりするのは難点ではありますが、それらを帳消しにしてなお余りある良さがあるように思います。
言語聴覚士を志す皆さん。電子辞書も便利ですが、是非紙の辞書も使ってみてください。ある単語がどのような表現で説明されているのか、どのような用法で用いられているのか、単に眺めるだけでも充分面白いですよ。言語聴覚士は言葉に障害のある人たちへの支援を仕事としますから、人への興味や優しさも勿論ですが、言葉そのものに対する関心も是非持ってほしいなと思います。

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耳が聞こえにくい高齢者は認知症になりやすい?

| 投稿者: とやま

3月3日(日)に第18回四国言語聴覚学会で一般公開講座をすることになりました。
講座テーマは「耳が聞こえにくい高齢者は認知症になりやすい?」です。

海外の研究では、中年期に難聴があると高齢期の認知症リスクが約2倍上昇するというデータが発表されています。世界保健機関WHOの「認知機能低下および認知症のリスク低減に関するガイドライン」でも、認知症予防のための具体的な介入の一つに「難聴の管理」が挙げられていますね。
そして、最近の研究では「認知機能低下のリスクが高い70~84歳は、聴覚介入(補聴器装用)により認知機能の低下が48%抑制された」ことが報告されています。
(参考)Hearing intervention versus health education control to reduce cognitive decline in older adults with hearing loss in the USA (ACHIEVE): a multicentre, randomised controlled trial

言語聴覚士は、その名の通り「言語」と「聴覚」を専門とする医療職です。
私が学生の頃は「患者さんの言語を評価するためには、聴覚と視覚の評価から始めましょう! 聴覚の評価なくして言語の評価はできません!!」と、耳にタコができるほど聞かされました。聴力検査の演習(特にお子さんの検査)では「音の呈示回数(検査音を聞いてもらう回数)をいかに少なくして聞こえの測定値を得るのか」の実技指導を、繰り返し受けた記憶が。。。
そしてここ数年、言語聴覚士の領域では、お子さんの聞こえのみならず、大人の聞こえに対する関心が(これまで以上に)高まっています。

一般市民向けの講座につき、言語聴覚に詳しい方にとっては物足りない内容かもしれません。

自宅からオンラインで参加可能(参加費はもちろん無料)
もしよろしければ、どうぞ〜
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帰ってきた学生たち

| 投稿者: うらの

4週間の実習を終えた学生たちが徐々に大学に帰ってきています。こんな感じでしょうか?

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・・・昭和生まれにしかわからないネタですみません。実際にはこんな感じですかね。
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賑やかないつもの教室風景が戻ってきましたが、話している内容は実習前とは全く違います。
「先生たちは皆親切だった」という感想、「〇〇をあんまり勉強していかなかったのはよくなかった」などの反省など様々ですが、どの学生も自身の実習の様子について話し出したら止まらないぐらいよく喋ります。きっと実習中は毎日「は~」「ひぇ~」「ふーん」「へえ」「ほお」と、心の中でハ行五段活用を何度も唱えてきたに違いありません。互いに「お疲れ!!」と労う姿もそこかしこに。小学校の頃、遠足の時「家に帰るまでが遠足だ」とよく先生に言われましたよね。実習も全く同じです。大学に戻った後、しっかり振り返りをし、自身の課題や問題点を整理し、次にどうつなげるかを考察するところまでが実習です。最後まで頑張ってほしいですね。

そわそわして落ち着かない1日

| 投稿者: とやま

全国の言語聴覚士養成校教員が「そわそわして落ち着かない1日」
言語聴覚士を目指す学生にとっては「超緊張の1日」が今年もやってきます。

明日は言語聴覚士の国家試験!!
▷ 第26回 言語聴覚士国家試験の施行

指定養成校のカリキュラムは、1年生〜4年生の授業科目と国家試験の出題範囲とが連動しています。科目の単位を修得して卒業要件を満たすこと(卒業見込み)により、国家試験の受験資格を得ることができます。国家試験勉強は「これまでに学んだ授業科目の総復習」であり、国家試験は「授業科目の理解度チェック」ですね。

国家試験や国家試験勉強と言われても、1年生〜3年生はイメージが湧きにくい(何をすれば良いかピンとこない?)と思います。
国家試験は「授業科目の理解度チェック」➰ 春休みに授業の復習をするだけでも、立派な国家試験勉強です。

きっと、国家試験や臨床実習は忘れられない思い出になると思います。私の場合、二十数年前の国家試験勉強に使用した書籍(下記写真)と臨床実習日誌をどうしても捨てることができず、今も書架に並べています。

明日の試験を受験するST🥚の皆さま
明日は緊張で手が震えるかもしれません➰苦しいのは明日まで! 蓄えた力を遺憾なく発揮してください!!
頑張れ〜

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実習地訪問

| 投稿者: うらの

4週間の臨床実習に出ている3年生の多くが折り返し地点を過ぎました。指導者の先生方へのご挨拶、そして学生の状況の把握を目的に、教員は1施設ごとに実習地訪問を行っています。私も既にポチポチと出掛けておりますが、行く前は「あー、ちゃんとやってるのかしらん」「身体を壊していないかしらん」などと心配は尽きません。


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ところが実際に行ってみると・・・総じて学生は生き生きとしています。「とても楽しい」「毎日が気づきの連続」「患者さんから“頑張って”と言われてとても嬉しい」「繰り返し〇✖を見ているうちに、ポイントがつかめるようになってきた」・・・。まさに“案ずるより産むが易し”です。中には「△◇の分野の勉強が非常に不充分だったと改めて実感し、反省している」なんていう声もあったりします。うんうん、そうだね、気づいてよかったね、でも今からでも遅くないですよ。自身の課題や問題点を適切に洞察しただけでも大きな前進です。
学生が頑張っていることは確かなのですが、実習は本人1人の力だけでは絶対に成立しません。陰になりひなたになり、様々なサポートをしてくださっているご家族、指導してくださる先生方、そして何よりも多くの患者さんへの感謝の気持ちを決して忘れないでほしいと思います。
患者さんとの自由会話、症状と専門用語の理解・・・課題は学生によっても様々ですが、残りの期間でひとつでも多くの収穫を得られることを願っています。

本の紹介

| 投稿者: うらの

本学では後期試験を終え、現在再試験の真っ最中です。是非悔いの残らないよう、精一杯頑張ってほしいですね。
高校生の皆さんは1~2年生は定期試験の準備、3年生は卒業式のことや4月からの進学に向けた準備でせわしないことと思いますが、言語聴覚士を目指すぞ!と決めた人にも、言語聴覚士ってどうなんだろう、と迷っている人にも、春休みに是非読んでいただきたい本があります。「言葉を超えて 失語症を生きるということ」(星湖舎)という本です。
約4年前の2020年に、4月25日が「失語症の日」として記念日に認定されました。その「失語症の日制定委員会」のメンバーを中心に編まれたのがこの書籍なのですが、執筆者は失語症当事者、当事者をサポートしているご家族、そして失語症のある人を支えて活動をしている言語聴覚士や関係団体の方など総勢11名に及びます。中には発症から15年にわたる経過を綴っておられる方もいらっしゃいます。失語症のある方は単に病院でリハビリテーションを行えばそれで終わりではありません。その後も地域で、家庭で、社会で生活をしていかなければならないのですが、どんな思いで生活をしておられるのか、どんな支援を必要としているのか、ご家族はどんな思いでサポートしているのか・・・。それらがありありと綴られている1冊です。
執筆者ひとりひとりの肉筆原稿を最大限尊重したというこの本、是非多くの方に読んでいただきたいと思います。失語症って何だろう、言語聴覚士って何だろう、まだよくわからないけれど読んでみよう、それでも充分だと思いますよ。

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第30回日本摂食嚥下リハビリテーション学会学術大会のお知らせ

| 投稿者: とやま

第30回日本摂食嚥下リハビリテーション学会学術大会のお知らせが届きました📩

昨年9月開催の第29回学術大会は、専攻学生が複数名参加していましたね〜
第29回日本摂食嚥下リハビリテーション学会学術大会に参加しました

今年の第30回学術大会は 2024年8月30日〜31日🌻
会場は福岡国際会議場とマリンメッセ福岡、福岡サンパレスホテルです。
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おっ 行ってみたいなぁ・・・とお考えの皆さま
福岡はご飯が美味しいですよ〜🍜🫕🥟🍓+明太子+いろいろ
▷ 学術大会は、学会員でなくても参加できます(参加費あり)
▷ 市民公開講座は無料です(内容が分かりやすいです)

東京↔︎福岡 ➰「遠い!」と思われる方もおられると思います。
そのような意味では、学生にはハードルが高いかもしれませんね💦

実は 2025年の第31回学術大会はパシフィコ横浜ノース(会期 2025年9月19日〜20日)
パシフィコ横浜ノース ⇆ 蒲田キャンパスは公共交通機関で約45分 
(横浜駅 ⇆ 蒲田駅は約20分 🚃💨)
2025年✨近距離✨ ➰ 今年の学術大会参加に悩んでおられる皆さま、いかがでしょうか?

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| 投稿者: うらの

3年生の多くは今週月曜から見学実習が開始となりました(一部の学生は来週からの開始となります)。病院に到着するまでは不安と期待で一杯になり、人によっては身体が震えたりしたかも?しれません。
ところが・・・実習初日に学生から送られてきたメールの多くには、新たな発見と驚き、大学で学んだことと実際の臨床現場との照合の様子が興奮気味に綴られていました。「〇✕の検査を見学させていただいた」「△◇の訓練を様子を見せていただいた」「STの先生方それぞれの臨床に対する考え方をお聴きしてすごく勉強になった」などなど。そして「もっと勉強しなければ」という強い意気込みも伝わってきました。
やはり、これが現場の臨床のパワーですね。私も長年臨床をしてきましたが、患者さんや臨床家の姿から学ぶことは、教科書や講義での学びとは全く質的に異なります(注:大学での学びを否定するものではありません、念のため)。
ことばに障害があるということはどういうことなのか、障害を抱えながらも自分らしさを取り戻していくプロセスはどのようなものなのか、そしてそれを支援する言語聴覚士はどのように働きかけ、どのように伴走していくのか。
4週間で多くの「!!!!!」に出会い、ひとまわりもふたまわりも大きくなって大学に戻ってくるのが教員として今からとても楽しみです。

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自由会話の練習

| 投稿者: うらの

3年生はいよいよ来週から4週間の見学実習に出ることになります。これまでの講義資料やテキストを繰り返し見直したり、友達同士で検査の練習をする姿が3号館の複数の教室で見受けられます。担当教員による準備の進捗状況チェックもあります。さらには細かい確認(例:家のドアから実習先ドアまでの経路、お昼をどこで確保するか、など)、持ち物の確認等、やることは連日盛り沢山です。初めての実習ですし、まだ学生なのですから、30年も臨床をしてきた者と同じに出来るわけがありません。でも、これまでに学修したことをしっかりおさらいし、ひとつでも多くの学びを得てほしいと願っています。
ここ数日間は3年生を数ブロックに分け、自由会話の練習を行いました。失語症の患者さん役の教員と1人当たり5~10分程度の会話をし、改善すべき点やよかった点等を個々にフィードバックしました。 
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えーどうしよう、困ったな…と言いながらも、回数を重ねるとどの学生もそれなりに上達や改善がみられるようになってきました。
勿論、まだまだ難しいところも多いと思いますが、実習では下手でも堂々と取り組んでほしいと願っています。

大晦日やお正月は何を食べますか?

| 投稿者: うらの

いよいよ今年もあと少しになりましたね。皆さんにとってこの1年はどんな年でしたか。私はなんといっても東京工科大学に着任したことが一番大きな出来事であったと思います。老体に鞭を打ちながら、楽しく若い学生の皆さんと勉強出来る機会を得たことはとてもよかったです。
さて、皆さんは大晦日やお正月はどんな風に過ごしますか。何を食べますか。私は長い臨床の中で、患者さんにそれぞれの地域の風習や独特の食べ物をうかがうことが時々あったのですが、これが本当に面白く、話も弾みました。たとえば「お雑煮の具は何でしたか?」のような質問であっても、予想だにしない答えが返ってくることがままありました。確か、高知の方でお雑煮にあんこを入れるとおっしゃっていた方もいたと記憶しています。スマホでググって検索し、画像を探し出して、患者さんにお見せし「これで合ってますか?こういう感じですか?」と確認すると、皆さん本当に嬉しそうにされたのを思い出します。患者さんのお話から、それぞれの地域の生活の様子に、想像の翼が大きく広がりました。
言語聴覚士の仕事では、評価や症状の理解、訓練など、全てを患者さんから学んでいくことになりますが、単にそれだけでなく、様々なジャンルの知識や文化、生活の知恵、そして生き方をも患者さんから学ぶことになります。臨床家自身の人生も豊かにする職業であるといえましょう。そんな言語聴覚士を目指す若い学生さん達が、これからも東京工科大学にどんどん入学してくれることを心から願っています。
あ、余談ですが、私の田舎(長野県伊那地方)ではおせち料理は大晦日から食べ始めます。決して私の家だけの風習ではなく、地域全般がそんな感じです。友人に話したら驚愕されました…。
私の部屋の扉の飾りも、クリスマス仕様からお正月仕様に変えてみましたよ。

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