大田区・高次脳機能障害基礎講座で講演を行いました
| 固定リンク 投稿者: うらの
去る9/28(月)、大田区障がい者サポートセンターにて開催された、大田区民向けの高次脳機能障害普及啓発活動・高次脳機能障害基礎講座で講演をしてきました。今回のテーマは 「話せるのに伝わらない?認知コミュニケーション障害を知ろう」です。
認知コミュニケーション障害では、①相手の話を充分に聞かずに自分の言いたいことだけ話す、②皮肉や社交辞令、比喩が理解できない、③話があちこちに飛び、要点が少しずつずれていく、などの多彩な症状が生じます。そして、このような症状が生じる背景には、注意機能障害、遂行機能障害(目的を持った活動を成し遂げるために、目標を設定し、計画を立てて効率よく実行する能力が障害されること)、記憶障害、などさまざまな高次脳機能障害があります。コミュニケーションがうまくいかないということから「この人は失語症ではないか」と思われてしまう場合も時にありますが、認知コミュニケーション障害では失語症とは異なり、語の意味や音韻の想起、選択、文法といった言語を構成する各ドメインに全く異常はありません。
「認知コミュニケーション障害」という用語は、1987年に米国言語聴覚士協会(American Speech-Language-Hearing Association: ASHA)が初めて用いた用語ですが、日本の言語聴覚療法でも一般的になってきました。ただ、一般の人たちへの認知度はまだまだといったところです。このような講演を企画した、大田区障がい者サポートセンターのスタッフの皆さんの先見性は素晴らしいですね。私も、自身のこれまでの臨床経験で学んだことをお伝えし、何とか区民の皆さんのお役に立てるようにと講演を行いました。
当事者の方、そして区内の高次脳機能障害支援団体の方たちとお話をする機会を持てたことが、私にとって何よりの収穫でした。障害を抱えながらどのように生活されているか、どのように地域で活動をされているか、今回お会いした方々から今後も学ばせていただきたいと考えています。
本学では、臨床経験のある教員が専門性や経験を生かして、地域の方々を支える活動にも取り組んでいます。大学で身につけた知識や技術を、実際の地域や社会で生かせることも、言語聴覚障害学を学ぶ魅力のひとつです。







