失語症のある人との自由会話
| 固定リンク 投稿者: うらの
後期授業が始まりました。3年生は年明けからの見学実習(4週間)を控え、いよいよ様々な準備学習を始める時期となっています。
昨日から始まった「言語聴覚総合演習Ⅱ」という科目では、学生が3ブロックに分かれ、模擬患者との自由会話の練習を行いました。クラスメイト、バイト仲間、家族や親戚との会話には慣れていても、初対面で、自分よりもかなり年上で(両親や祖父母世代の場合も…)、しかも失語症のある人との会話はほとんどの学生がこれまで未体験です。身体に障害のある人のためにスロープや手すりがあるのと同じように、失語症のある人にも、症状に合わせた援助を聞き手がする必要があります。2年次・3年次で失語症のある人との会話ではどういう配慮や援助が必要かを繰り返し学修し、学生同士で練習も重ねてはきましたが、いくら講義・演習資料を穴が空くほど眺めてみても、友達同士で練習してみても、援助の仕方を真に理解することは絶対に不可能です。実際に体験してみるしかないのです。本演習での模擬患者3名は教員でしたが、いずれも成人領域の臨床経験が豊富な教員ですので、(アカデミー賞級とはいいませんが)失語症のある方の実状に合わせた振る舞いとなるよう、渾身の演技?で学生との会話に臨みました。
どの学生も緊張した面持ちで模擬患者の前に座り、懸命に会話を展開しようと必死に頑張りました。しかしながら、実際の失語症のある人(模擬患者ですが…)を前にすると、これまで座学で学んできたことや、友達同士で練習したことなどは一気にどこかへ吹き飛んでしまうようです。どうしていいかわからなくなってしまった学生もおそらく少なくないことでしょう。演習中盤に一旦タイム!として練習を止め、学生の会話はどういう点がまずかったのか、どうすればよりよいに援助につながるのかを、教員兼模擬患者からアドバイスをしました。するとその後、少しずつ改善がみられる学生が増えてきました。
90分の演習を終え、へとへとだったに違いありませんが、終了時の教員からのアドバイスにも全員、真剣に耳を傾け、盛んにメモを取る様子が見受けられました。また来週もやりますよ!!少しずつ慣れていきましょう!!