第25回日本言語聴覚学会に参加してきました
| 固定リンク 投稿者: うらの
6/21(金)、22(土)に神戸国際会議場で開催された「第25回日本言語聴覚学会」に参加してきました。私は前日の20日(木)、病院での臨床を終えて羽田空港から神戸へ飛びました。神戸空港からポートライナーという電車に乗り、ホテルのある三宮へと向かったのですが、ポートライナーの背もたれには既に前日からこんなのが。ウェルカムムード満載です。
学会当日は一気に梅雨入りが発表され、関東は結構な本降りだったと聴いています。神戸も初日朝は降っていたのですが、会場についたら止んでしまい、徐々に青空が広がってきました。日頃の行いの良さでしょうか。あ、私じゃなくて参加者全員のですよ。
STってこんなに大勢いるんかい!!と思うぐらい、大変盛況な2日間でした。口頭発表、ポスターセッションと複数の部屋に分かれ、活発な討論が繰り広げられましたが、部屋によっては人が溢れかえっていて、入場すら難しいところもありました(ただ、それらも別途「中継ルーム」が設けられ、そこで視聴することは可能でした)。
さて、このたびの私のミッションは「認定言語聴覚士の集い 失語・高次脳機能領域」のスタッフでした。「認定言語聴覚士」というのは、高度な知識および熟練した技術を用いて高水準の業務を遂行できる言語聴覚士を養成、業務の質の向上を図り社会に貢献することを目的とし、日本言語聴覚士協会が制定した認定資格です。2023年度末の時点で1,000名が認定言語聴覚士と認定され、内訳は、摂食嚥下障害領域445名、失語・高次脳機能障害領域311名、言語発達障害領域107名、聴覚障害領域65名、成人発声発語障害領域42名、吃音・小児構音障害領域30名となっているようです(日本言語聴覚士協会公式サイトより)。今回の学会でも、各領域で「認定言語聴覚士」を取った人たちが集まり、症例検討や日頃の研究や臨床のことなどを話し合う企画が組まれましたが、私はこのうち「失語・高次脳機能領域」の集いに実行委員として参加しました。今回の「失語・高次脳機能領域」の集いでは、高次脳機能障害者の運転再開にかかわる症例提示の後、グループディスカッションが行われましたが、「その場で3~4人のグループを作り、ディスカッションをお願いします」の声掛けに、参加者はごく短時間でささっと要領よくグループに分かれ、お互いに簡単な自己紹介を済ませ、テーマに関する活発な議論がなされました。「しーん」とするグループはひとつもなく、初めて会った人たちとは思えないほどとても生き生きとした表情で、時間が足りないぐらいに盛り上がりました。私はファシリテーター役ということになっていたのですが、全くその必要はありませんでした。
このグループワークの様子から感じたことは以下の2点です。ひとつ目は、どんな人とでも、初対面の人とでもコミュニケーションをうまく取ってグループワークが出来るのは、やはりSTがコミュニケーションのプロであるがゆえだということ。ふたつ目は、国家試験に合格し、何年臨床を経験しても学びを止めないというのは、臨床家としての基本的な姿勢だということ。
学会で議論されるような学術的内容は、高校生や大学生の皆さんにはまだ少し難しいかもしれませんが、上述のようなコミュニケーション態度や学びの姿勢は、STを目指す人の基本であることを是非心に留めてほしいと思います。