音を楽しむ
| 固定リンク 投稿者: うらの
皆さんは日頃、音楽を聴きますか?今の若い人たちはウォークマンなどで勉強の合間や電車の中で聴いたりするのでしょうか。
昭和生まれの私は、子どもの頃はカセットテープというものに録音して音楽を聴きました。テレビから流れる歌謡曲を録音する場合、テレビのボリュームを上げ、カセットテープレコーダーという機械のマイク部分をテレビに近づけて録音したものです。そういう時に限って突然電話のベルが鳴ったり、ドアチャイムがピンポーン♪と鳴ったり、不用意に発する家族の声が一緒に録音されちゃったりと、今ではあり得ない苦労?があったものです。
さて、おばちゃん教員のそんなどうでもいい昔話はともかくとして。ボーっと見ていたテレビCMから流れてくるBGMにハッとさせられたり、好きなアーティストの歌に心が躍ったり、歌詞の内容に共感したりほろっときたり、疲れたけど明日も頑張るぞと励まされたり。そんな経験が皆さんにも一度ならずともあるのではないでしょうか。
実は、臨床においても音楽は有効なことが少なくありません。重度の失語症の方であっても歌なら歌えるという場合があります。また、なかなか意欲がわかず、車椅子かベッドでじっとしていることが多い方が歌のグループに参加したら楽しそうに歌った、テレビやステレオから流れる演歌に反応した、というような場面を私はこれまでの臨床で幾度となく目の当たりにしてきました。もちろん、もともと嫌いな人に強要することは決してあってはならないことですが、楽しいリハビリテーションのひとつの手法として(注:決して全てではありません)、音楽があるということも心のどこかに留めておいていただければと思います。音楽は「音を楽しむ」と書きます。ご自身で「音を楽しむ」だけでなく、患者さんとも「音を楽しめる」ような臨床家になってほしいですね。
ちなみに私は、昭和の演歌と主要な民謡はイントロだけでも曲名をある程度当てる自信があります。でも最近の歌謡曲はダメだなー。