患者さんを知ること
| 固定リンク 投稿者: うちやま
先日、多摩川沿いを歩いていると、満開の桜とともに河川敷で「つくし」「タンポポ」「シロツメクサ」を見つけました。
春の植物というと「桜」のイメージが強いですが、だんだんと暖かくなり、様々な植物を見かけるようになりましたね。
桜やチューリップのように誰もが知っている花もあれば、ペチュニアやアネモネのように聞き覚えはあるけれどよく知らない花、見たことも聞いたこともないような花も色々あります。
ガーデニングを趣味にしている方と、植物にあまり興味がない方では、知っている花の種類も異なります。
また、「つくし」は分かるけれど、「土筆」と書かれると何か分からないかもしれません。
言語聴覚士が、失語症のある患者さんの言語症状を評価し、訓練プログラムを考える上では、その方が元々どのような方であったのかという情報がとても大切です。
「病気になる前は知っていたはずの言葉が言えなくなっている」のと「元々知らなかった言葉が言えない」のとでは、患者さんの言語症状に対する評価が変わってきます。
特に、あまり馴染みのない言葉や漢字の読み書きについては、元々の知識や能力が大きく影響する部分ですので、ご本人やご家族にもお話をうかがって確認しています。
その方が日課にされていたことや好きなこと、どんなお仕事をされていたのか、ご家族や友人とのエピソード…などをうかがいながら、患者さんの人物像をイメージします。そして、その内容も参考にしながら、言語症状を評価し、訓練の課題を考えています。
患者さんを知ることが、患者さん一人一人に合わせた言語聴覚療法につながっています