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What ? How ? Why ?

| 投稿者: わたなべ

Ume

暦も3月に替わりました。いよいよ年度末最後の月に突入ですね。蒲田キャンパスから、2~3kmの範囲内に、池上梅園があります。まだ六分咲きのようですが、週末には満開になるでしょうか。

この時期になると、学生時代にお世話になった恩師のことが偲ばれます。濃厚な2年間でしたが、恩師が口酸っぱく強調されていたことば「何をやるかではなく、どのようにやるか」は、言語聴覚士として活動するうえでの金言です。私自身も教員になってから、教え子たちに同じように指導をしてきました。

何をするかが決まれば、あとは誰がやっても同じというわけではありませんね。特に臨床では「臨床の知」ともいえますが、対象者(患者)との相互作用によって、瞬間瞬間に様々なことが変化することを経験します。同じようにやっているつもりでも、実際には異なる結果が生じます。そのことを考えると、何をやるか(what)だけではなく「どのようにやるか」(How)の意識を持つことは、とても大切ですね。

実際問題として、同じようにマニュアルに従って、検査用図版を患者に提示して回答を求めたとしても、「どのようにして」声掛けや図版を提示したかによって、結果が大きく異なることを、今まで経験してきました。

ただし、ここでいうHowは、いわゆるHow to 本のように「何を」「どのように」やれば良いかの「マニュアル(手引き)」のような性質を指すものではありません。あくまでも、瞬間瞬間、相手との相互作用により変化する事柄に対し、経験則を踏まえて瞬発力で判断し行動することを意味しています。

さて、私は言語聴覚士になって四半世紀経ちますが、最近思うのは、Howだけではなくwhy (なぜ)やるのかも、とても大切だということです。what や how は、目先のことが成功すれば問題視されないことがあります。でも、もっと大きな視点で考えると、実は why 何を目的・目標として行動するかの視点がもっとも大切だと思います。当たり前の話で恐縮ですが。

つい私たちは日々の臨床に追われて、その場でうまく成功すれば満足しがちですが、そもそも「何のために」という大きな目標を自覚し追求することが必要ですよね。ADLを改善させるため?QOLを向上させるため?を含めて。

知識や技術が増えると、ついそれだけで満足しがちですが、医療技術にも、思想や哲学が必要なのだ、と思う今日この頃です。

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