吹き戻し
| 固定リンク 投稿者: わたなべ
蒲田駅西口(蒲田キャンパス側)では、週替わりで露店が出ます。食べ物もあれば、日用品、かばん、衣料品など、様々です。今週は民芸品のようです。主に子ども向けの、昔ながらの懐かしいおもちゃが並べられていました。小児領域科目を担当しているので、つい立ち止まって眺めてしまいました。
「吹き戻し」を見つけて、とても懐かしく思いました。数十年前、子どもの頃に遊んだからだけではなく、病院勤務していたころに言語訓練で良く使っていたからです。今から20年くらい前の話ですけれど。
当時はまだ今ほどエビデンス(訓練効果の根拠)を求められる時代でもなく、何よりも未知なことが多く、多くの言語訓練は手探りで開発して試行錯誤するような状況でした。学生向けの教科書もほとんどなかったのです。そのため、呼吸機能や発音の改善に役立つという仮説や経験則から、吹き戻しを使うことがありました。
医中誌Web(医学中央雑誌のweb版:国内医学論文情報のインターネット検索サービス)を使って「吹き戻し」と検索したところ、24件の論文や報告がヒットしました。呼吸リハビリテーションに有用であったことが示唆された報告が散見されました。
ともあれ、吹き戻しを見て、改めて私が感じたことが2つあります。
1)療法は日々進歩して改善されているため、常に最新の知見に触れ、確認を怠らないことが大切(養成校卒業後も、生涯学習が大切)。
2)訓練の教材は、日常生活の至るところに存在しているため、アンテナを張ってチャンスを見逃さないことが大切。
訓練は生活の一部分であり、生活は訓練そのものでもありますね。