家族同士のつながりが支えに
| 固定リンク 投稿者: うちやま
先日のブログで、失語症の集団での言語療法のことを紹介しました
集団での言語訓練は、個別の言語療法を終了された患者さんが病院で取り組んだ言葉の訓練を思い出してやってみたり、患者さん同士が交流したりする場になっていました。病気になってまだ数年の方から、10年以上経っている方まで様々で、身体の麻痺の程度や言語障害の程度も異なる方々が大勢参加されていました。
参加者の皆さんが、言語聴覚士が考えた様々な企画に一生懸命取り組んでくださっている間、参加者の方に付き添って来られたご家族はというと
ご家族同士での交流されたり、情報交換をされたり…と、実はご家族にとっても集団での言語療法の場は良い機会になっていました。
参加される患者さんは男性の方が多かったため、奥様や娘さんが付き添われていることが多く、女性同士のおしゃべりに花が咲きます。
それぞれの近況をお話されていることもありましたが、時には日常生活やコミュニケーションに困っているご家族に対して、ご自身のご経験からのアドバイスや、「こういうサービスがあるよ」「ここのお店が良かったよ」など、実践的なアドバイスも。
特に、ご家族が失語症になられて間もない方は、日々の生活における介助に大きな負担を抱えておられたり、将来に対して多くの心配があったり、さまざま葛藤の中で介護をされていることが多いものです。
そんな方にとっては、ご家族が病気になられて10年20年経っている先輩の、同じご家族の立場からの助言は、大きな支えになっているようでした。私が担当した患者さんの奥様は「〇〇さんご夫婦が目標です!」とお話されていました。
言語聴覚障害の方々に言語聴覚士が専門的な支援をすることは重要ですが、家族の方々が日々の困りごとを気軽に相談できたり、言語聴覚障害を持ちつつも生き生きと過ごしておられる姿をみることができたりすることも、大事なことだなぁと思います
こういった支えとなる機会をつくっていくことも言語聴覚士の仕事としては大事な視点ですね