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「不思議の国のアリス」症候群

| 投稿者: わたなべ

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「不思議の国のアリス」症候群をご存じでしょうか?

ルイス・キャロルの文学作品「不思議の国のアリス」は知っている方は多いと思いますが、その名がついた症候群まで知っていたら凄いです!

同作品で表現されている「身体の形や大きさの変動(異常体験)」と同じように、片頭痛の際に幻覚を伴う現象を指す症候が「不思議の国のアリス」症候群です。若年層、特に子供に多く、原因はウイルス脳炎、癲癇(てんかん)など多種で、症候学的片頭痛も伴います。私は子どものころにインフルエンザで高熱で寝込んだ際に、部屋の時計の大きさや秒針の音が突然大きくなったように感じられたことがあり、不思議に思っていました。今思うと、これが不思議の国のアリス症候群だったのかも?と勝手に想像しています。

さて、このような興味深い話を含め、世界の文学作品に描かれた子どもの病気について、小児外科医が執筆した本が、「『不思議の国のアリス』症候群」です。著者は、角田昭夫先生(医学博士、神奈川県立子ども医療センター顧問)です。講談社から1993年に出版されました。

この本との出会いは、私が言語聴覚士の学生時代に学外実習でお世話になった施設に、この本が置いてあったからです。大変感銘して角田先生から直接購入させていただき、サインまでいただきました。今でも大切に保管しています。

第2章 難聴 「神様は手話ができるの?」(トマス・スプラドリー)

第14章 極小未熟児「小さくとも命の花は」(平岩弓枝)

第15章 急性中耳炎「細雪」(谷崎潤一郎)

このように、言語聴覚士に特に関係のあるものも紹介されていて、とても興味深い本です。

病気との対比はしませんが、このほかにも、「若草物語」「カラマーゾフの兄弟」「オズの魔法使い」「羊たちの沈黙」「和解」「悪霊島」「ホテル・ニューハンプシャー」「海辺の家族」など、有名な作品も取り上げられています。

残念ながら現在は新品が入手できず、中古書を購入するしかないようです。

ちなみに大田区の図書館で蔵書検索したところ、「浜竹図書館」の書庫に所蔵されているようです!ご興味のある方は、ぜひご一読ください。

 

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