答えは、ひとつじゃない。自ら発見する学びがここに。
| 固定リンク 投稿者: わたなべ
本専攻1年次の後期に「ベーシックセミナーⅡ」という科目があります。コミュニケーション技術や課題解決に向けた手順について、グループワーク、ディスカッションを通じて学ぶこと、文章で論理的に主張する能力を高めることを目的としています。内山先生と渡辺で担当しています。
ところで、高校生の皆さんが考える「大学での学び」は、どんなものでしょうか?
知識や技術を身につけることは、容易に想像されると思います。
それらは、答えが1つであったり、複数あっても「答えが決まっている」ものに留まる場合があります。
しかし、生身の人間を相手にする言語聴覚士の場合、実際の臨床場面で求められる答えが、常に1つであるわけではありません。また、そもそも「答えが決まっていないこと」もあります。「ある病態について知識がある、検査方法を知っている、訓練方法を知っている」だけでは、的確な言語治療や支援は行えません。あらゆる可能性を視野に入れながら、常に最善を目指して「考えること」が、とても大切です。そのためには、知識や技術を丸暗記するのではなく、他者からの批判的意見も受け入れつつ多様な観点に基づいて「分析・考察すること」が、必要です。
この授業では「あるテーマ」に対してグループワーク、ディスカッションを行い、コミュニケーションと課題解決方法の基礎について、学生たちは学んでいます。「答えのない答え」について考えることは、実に難しいことと思います。でも、皆さんは、楽しみながら意欲的にディスカッションに参加し、自分ひとりでは気づきにくい他者の考え方、価値観などを互いに共有し、考えを深め合っていますよ。素晴らしいですね。
「授人以魚、不如授人以魚」(人に魚を与えるのではなく、魚の釣り方を教えなさい)というのは、老子のことばですね。
大学で学ぶということは、まさにこれに相通ずることだと思います。仮に、知識や技術が魚だとすると、知識や技術を身につけるだけでは、言語聴覚士の仕事はできません。「なぜ、その知識や技術が導き出されたのか」を考えて理解し学ぶことが大切です。そうすることで、「1つだけではない答え」を探すことができるようになります。また、受け身ではない自発的な「思考」や「行動」に繋がりますね。
大学の建物の窓ガラスに、上記のポスターが掲示されていました。
「答えは、ひとつじゃない。自ら発見する学びがここに。」
東京工科大学だから見つかる答えを、一緒に探してみませんか。