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声がかれる

| 投稿者: よしはら

Kamata1

 日常生活で声がかれる(=嗄声)ことをしばしば経験すると思います。例えば大きな声で騒いだとか、カラオケで歌いすぎた翌日などは声がかれることが多い。小学生などの子供で元気な男子は、大声出しすぎて声がれの状態が続きます。子供の場合の多くは成長につれて徐々に自然改善することが多いのも特徴です。                                                                 

治療が必要な声がれ、心配な声がれもあります。原因も多彩ですが、風邪やウイルス・細菌感染による急性喉頭炎、声を使う仕事で喫煙習慣のある人の慢性喉頭炎、慢性炎症を背景に声帯に腫れを来す、結節やポリープ、声帯を動かして声を出すための反回神経の麻痺(この麻痺の原因も様々です)、喉頭腫瘍(良性も悪性もある)でとくに喉頭がんは生死にも関わります。耳鼻咽喉科医は患者さんの年齢、性別、生活環境と声がれの性状で凡その診断を推測することができます。その上で喉頭内視鏡で声帯、喉頭全体、咽頭をみて診断を進めて行きます。生活の中で声の酷使のレベルやお酒、特に喫煙歴の問診が大切になります。

                                                                    Brinkman指数(喫煙指数)という目安があります。これは1日に吸うタバコの本数 X 喫煙している年数で示すものです。例えば50歳男性で20歳からタバコを吸い1日20本平均吸っていたとすると、指数は20(本)X 30(年)= 600になります。この指数が400以上で肺がんのリスクがあり、600以上では咽頭がん、喉頭がんのリスクはかなり高くなります。600以上では仮にがんにならずともCOPD(慢性閉塞性肺疾患)となる率が高く、肺の本来の機能が低下します。タバコは心血管系にも悪影響を及ぼします。さらにCOPDがあるとコロナ感染はかなり重症化してしまいます。ヘビースモーカーでアルコール摂取が多いとその咽喉頭がんのりすくはさらに高まります。  

喫煙者は過去に比べ減ってはいるもののまだ愛煙家は多数おられ、家族友人に受動喫煙の害も及ぼす可能性があります。コロナ禍に禁煙の人が増加すること願っています。

 

 

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