咳、咳払い
| 固定リンク 投稿者: よしはら
熱くなる毎日、エアコン必要になりますが冷房により体調崩すことがあります。気を付けたいところです。 私たちは咳をすることがありますが、その多くの原因は咽頭炎、喉頭炎、気管支炎、肺炎などの炎症によります。咳は短時間で空気を吸い込み、声帯を閉じて肺の空気を一気に吐き出すもので、下気道の痰や異物を排除するための大切な防御反応です。一方で「咳払い」の原因も様々です。鼻炎や副鼻腔炎に起因して「後鼻漏」(鼻の前に鼻水が垂れるのは前鼻漏、鼻の分泌物が後鼻孔に回り、咽頭へと流れ落ちるのを後鼻漏)により、喉頭や食道入口部に溜まり、不快さから咳払いをします。また逆流性食道炎などでのどの異物感、違和感が出現し、そのため咳払いすることもあります。あとは人前でプレゼンするときや、歌う時なども1~2回「ゴッホン」とする人も良く見かけます。またクラシックコンサートの楽章と楽章の間にも咳払いの人が散見されます。これは緊張状態を一時的に開放するためのようです。咳払いも強く頻回にやりすぎると、それ自体のどを痛めますので、また違和感の原因となり悪循環です。高齢者の患者さんで軽い咳が常に出るものの、発熱や痛みはなく、咽喉頭や肺にも炎症がない場合は、咽喉頭粘膜の知覚低下と声門閉鎖も不完全で自身の唾液を誤嚥している場合もあります。肺まで影響する前に防御反応としての咳と考えられます。クリニックなどでいくら咳止めを服用しても改善しない理由です。おしゃべりすること、歌うこと、食べること、飲むこと、咀嚼することは生きていくための第一歩です。体を動かすことと同様に行える間は積極的に舌、のどをきちんと使いましょう。