言語聴覚士はストップウォッチで何を計る?
| 固定リンク 投稿者: うちやま
言語聴覚士の持ち物、今回はSTの必需品「ストップウォッチ⏱」です
これまでにも、何度かブログで紹介してきました(言語聴覚士の必需品、壊れたストップウォッチ)
色々な場面で時間を計るときに使われるストップウォッチですが、スマートフォン📱にも標準搭載され手軽に使えるようになりました。
さて、言語聴覚士はどんなときに何の時間を計っていると思いますか❓❓
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例えば、声が出しにくくなった患者さんに『「あ~」という声をできるだけ長く伸ばしてください』といって、声が何秒続くのかをストップウォッチで計ります。その際には、声の長さだけでなく、声の大きさや声の質、安定しているかどうかなども評価します。
呂律(ロレツ)がまわりにくいと感じておられる患者さんには『パパパパパ、とできるだけ速く繰り返していってください』といって、3秒や5秒など一定の時間を計り、時間内に何回繰り返すことができるのかを評価します。
『パ』『タ』『カ』『パタカ』など言葉を変えて同じように計測すると、「こっちは難しい~」や「前よりスムーズに言えるようになった~」など、患者さん自身も違いに気づきやすくなります。
このように、患者さんの発声や発音の評価・訓練を行うには、言語聴覚士にとってストップウォッチは欠かせないわけです。
また、言語聴覚士が行う様々な検査(テスト)の中には、1問ごとに制限時間があったり、患者さんが回答するまでにかかった時間によって得点が異なったりする問題が多くあります。
1分間で言葉をたくさん挙げてもらったり、10秒間で絵を覚えて描いてもらったり、積み木を見本と同じ模様に組み合わせてもらったり…。
患者さんの言語機能を評価するには、時間内にどのくらいできるか、どのくらいの時間がかかるかという情報が非常に重要で、ストップウォッチで時間を計ることは必須なのです。
決まっている手順で検査をすすめながら、患者さんの反応をみて、片手で時間を計り、片手で反応の記録をとる作業は、慣れるまでなかなか大変💦
学生さんは演習科目の中でお互いにST役と患者さん役になって、繰り返し練習します。
私が学生のころに使っていたストップウォッチは壊れてしまい、今のものが3代目。手に馴染んで使いやすいので色違いで同じものを買い替えていました⏱
パソコンで自動計測できるような検査も増えてきましたが、自分の手で時間を計ることは、患者さんの反応や変化をみていく上で色々な気づきを与えてくれる、とても大切なことだと思います
それに、ベッドサイドで患者さんの評価や訓練をするときには、やはりストップウォッチです💡