絵カードの使い道
| 固定リンク 投稿者: うちやま
言語聴覚士が言語聴覚療法を行うときに、よく使用する教材の一つに「絵カード」があります。
今は色々な教材が市販されていますので、職場の備品としても、私物としても、何種類かの絵カードを持っていました。
カラーやモノクロ、かわいいイラストのものや写実的な絵のもの、絵と文字がかかれたカード…。時には手作りすることも。
絵の種類も、野菜🥬や果物🍎、動物🐶、日用品👓、乗り物🚗、食べ物🍞、お菓子🍬、など様々で、身の回りのものだけでなく、「手を洗う」といった動作を表す絵カードもあります。
言語聴覚士が関わる患者さんの中には、病気や事故によって言葉がうまく出てこなくなったり、間違った言葉を言ってしまったりする症状が出る方がおられます。
そのため、様々な絵カードの中から、患者さんそれぞれの言語聴覚療法の内容に合わせて、使用する絵カードを選んでいます。
例えば、絵カードを見てもらい、その絵の名前を患者さんに答えてもらう課題。
〔ご飯🍚〕のように患者さんにとって身近なものであれば答えられるけれど、〔金づち🔨〕のように普段あまり馴染みのないものは難しいかもしれません。
そこでSTは色々なヒントを出しながら、目的の言葉が言えるように誘導していきます。
先ほどの〔金づち〕であれば、「大工さんが使う」や「こうやって…トントンと」といいながらジェスチャーをしたり。最初の文字「か」をいうと言葉がスムーズに出てくることもあります。
分かっていても言葉がうまく出ないときには、絵と一緒に文字を見せて読んでもらったり、STの言葉を真似して言ってもらったりしながら、繰り返し確認していきます。
たくさんある絵カードの中で、何のカードをどうやって使うのかが実はとても大切なんです❗❗
たった絵カード1枚でも患者さんの反応はがらっと変わるので、色々なことに気を配りながら言葉を選び、活用しています。そういう小さな積み重ねの中で、だんだんと患者さんの言葉が増えてくると、本当に大きな喜びを感じます