悩みに寄り添う
| 固定リンク 投稿者: わたなべ
皆さんは、新聞を読んでいますか?
今の若者はテレビを見ない人が過半数と最近知り、テレビっ子の私としては軽く衝撃を受けていたところです。
そして、テレビを見ないのなら、きっと新聞はもっと読まないのかな?と推測しています。
さて、英字新聞を除き、普通、新聞は表紙をスタートとして左から右に開いて読みますよね。それが何となく好きではなく、私は子どもの頃から、右から左に開く癖が続いています。つまり、TV欄から読み始め、最後は表紙で終わりです。これですと気軽に三面記事(死語?社会面)から読みはじめることができ、スポーツ、文化面と続き、経済、最後に政治面でゴールとなります。表紙には「今日の主要記事一覧」が載っていますので、自分が読んで印象に残った記事と答え合わせもでき、ちょっとしたゲーム感覚で楽しいです。
前置きが長くなりましたが、新聞のなかで、どんな記事が好きですか?
私は、「人生相談」の欄が好きです。人の悩み事を下世話に知って楽しみたいということではなく、相談者の悩みに「どのように回答するか」を一緒に考えて悩んでみることが好きなのです。
言語聴覚士が行う子どもの支援では、言葉の遅れや発音、吃音など、言語聴覚士ならではの専門的な指導・支援以外にも、実に様々な悩み事の相談を親から受けます。
「偏食で困るんだけど」「おむつが外れなくて心配」「保育園に行き渋るんですけど」などなど。え~っ、それは私の専門外だからパス!保育士さんに相談してみて!と拒否すべきでしょうか?
親からしてみたら、私たち言語聴覚士は言語の専門家であると同時に「子ども」の専門家と信頼してくれているわけです。
分からないものは正直に分からないと答えるべきですが、むげに断るのではなく、できるだけ一緒に考えて、良い方法を提案する、または親が自ら解決方法に気づくように導くということを私は大切にしています。
特に、子どもの行動を科学的に分析をして望ましい行動へ変化させるという応用行動分析の手法を利用した助言は、一つひとつの問題解決だけにとどまらず、子どもと向き合うための基本的な考え方について、親が理解することの手助けになります。子ども発達支援では、この応用行動分析が、よく使われています。
ともあれ、親から受ける悩み事相談の際に、先述の「人生相談」は、とても役に立ちます。
なるほど!そう答えるか!と思わず膝を叩くようなご名答にお目にかかれることもあります。
仮に悩み事の解決に至らない場合でも、子どもや親の気持ちに寄り添い、共感できると、対象者からの信頼はグッと増すことと思います。
悩む力は、とても大切ですね。
知識を蓄えるだけでは対応できないことですね。
大いに悩みたいものです。