まじめに授業を語る⑫ フィードバック
| 固定リンク 投稿者: はらだ
大雪に見舞われている地方の皆様にお見舞い申し上げます。
天気予報では、明日には少し寒さも和らぐとのことですが、その後の落雪などにもご注意ください。
さて、最近、また語り過ぎていますが、今日も一語り…(これまでの経験では、学生に「熱い!」「重い!」と言われそうですが…)
「フィードバック」という言葉を聞いたことは、ありますか? 一般的には、「ある動作や働きかけなどによって起きた結果が元に戻り影響を与えること」(旺文社カタカナ語辞典)と表されていますが、学習で用いられるフィードバックには、「学習を向上させるために学習者の考えや行動を修正することを目的として彼らに与える情報」(医学教育を学び始める人のために,2013)という意味があります。
海外の研究報告では、「学生に効果的なフィードバックが与えられたクラスの学習達成度は、そうでないクラスよりもかなり高い」ことが示されています。「効果的なフィードバック」とは?
学生たちはフィードバックという言葉を使いこなしており、演習のまとめや学習成果のまとめを提出した時に、「フィードバックをお願いします。」と言うことがあります。
それに対して、「筋は通っているから良いと思うよ」、「〇〇の部分の判断が違えば、異なる結論になったかもしれないね」などのフィードバックをすると、学生たちからは「では、模範解答を教えて下さい。」というような反応がよく返ってきます。
ずいぶん前は、学生が導いた解答が正しい時には、敢えて模範解答(代表的解答)を伝えず、+(プラス)のフィードバックだけをしていましたが、最近は、それに加えて、「模範解答」も伝えています。
既に、自らの気づきをまとめるというパフォーマンスが達成されている場合には、模範解答は彼らの思考を邪魔しないからです。
フィードバックは教員が一方的に学生に伝えることではなく、双方向のコミュニケーションであり、それをスモールステップで重ねて行うことが、より深い理解に導くことが分かったからです。
ずいぶん前の学生たちには、スモールステップではなく、大きなジャンプを求めてしまっていたようです。
ずいぶん前の学生の中には、他大学で教員をしているSTもいます。彼に聞くと、私は、なかなかに厳しい教員だったとのこと…