まじめに授業を語る⑥ グループ学習
| 固定リンク 投稿者: はらだ
もう一日、まじめに語らせて頂きます。
私たちが授業をする上で、忘れてはならないことがあります。グループ学習におけるグループの組み方です。1日だけのディスカッショングループなら、機械的にグループ分けしますが、複数回に渡る協同作業が必要な場合は、本当に気を使います。
随分前のことになりますが、学生に「先生、グループ演習のメンバーはいつ発表になりますか?」と聞かれ、「授業開始前に発表するよ」と伝えると、「え~!無理無理、緊張するから前もって教えて下さい。」と言われたので、周りを見ると、多くの学生が何度も頷いています。
「えっ?初めて来られる患者さんとは、お会いしたその日に話さなければならないのに、クラスの友達とグループで何かするのに、どういうこと?」と思ったのですが、
その場では「わかったよ。じゃあ数日前には伝えられるようにするね」ととりあえず応えました。
前もってメンバーを伝えた演習が始まっても、特に何か事前準備を始めていた感じもなく、ずっと、「どういうこと?」という思いがありました。
演習が終わってから、学生にその真意を聞いてみたら、「例えば、同じグループにAさんかBさんがいればリーダーは決まりだけど、CさんとかDさんだったら、自分がリーダーにならなければいけないかもしれないし、EさんとFさんがいたら、クッション役を確保しなければならないでしょう。心の準備がいるんです。」と…。
いやぁ~!なんてすばらしい洞察力でしょう。
数人の学生と話すうちに、グループのメンバーによって自分の役割が変わってくると考え、その役割を担っている学生が少なくないことがわかりました。
自ら考え、自ら判断し、自ら動いていることがわかり本当に感心しましたが、だからこそ教員としては、グループ割に気を使います。
そうでない役割を担うことによる学習効果の方が大きいと判断できる時には、学生自らが考える役割にはならないようなグループ編成が必要だからです。
グループ割! 適当に見えても、適当ではないんですよ✨