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まじめに授業を語る⑤ 会話

| 投稿者: はらだ

Harada_20201102121801  最近、まじめに語り過ぎていますが、読んでくださっている皆様、ありがとうございます。 

 今日は、言語聴覚療法における「会話」について~いろいろな授業科目に共通する重要事項です。

 

 患者さんの言語聴覚障害に対するリハビリテーションを実施するときに、言語聴覚士は患者さんにお会いして、すぐに、言語検査や言語治療を開始するわけではありません。

 まず、はじめに「自由会話」を行います。5~6分程度のことが多いと思いますが、これは、ただの会話ではありません。この会話は、短い時間の中で、多くの情報を収集できるように、コントロールされています。

 例えば、以下の話しかけ、どちらの内容が難しいと思いますか?

 ① 年末年始に、息子さんご家族は帰省されましたか?

 ② お正月に、息子さん、帰ってきましたか?

 

 脳に損傷を受けると、話す能力だけではなく、聴いて理解する能力にも低下が起こります。そのため、①の言い方でお聞きしたことが、上手く伝わらず、聞き返しがあった場合に、①を繰り返すのではなく、②の言い方に変えて再度お尋ねします。

 患者さんのご家族の方の中には、患者さんが聞き返しをされた場合に、大きな声で同じことを繰り返される方もおられますが、言語聴覚士は、聞き返しの原因が「聴こえなかったため」なのか、「理解できなかったため」なのかをきちんと認識しておかないと、「自由会話」は成り立ちませんし、「ただのお話おばちゃん(もしくは、おじちゃん)」になってしまいます。

 話の内容に加えて、話のスピードや声の大きさなども、患者さんの理解には大きく影響を及ぼしますので、いろいろな要因をコントロールしながら、患者さんから多くの情報を獲得して、その日の言語治療に活かします。

 

 他職種の方から「同じように話をするのに、STが話しをする方がよく通じるわよねぇ?」と言われることがあります。その専門職ですから、当然なのですが、やはり、小さくガッツポーズしたくなります。

 

 会話は、「知識」であり、「技能」であり、「態度」でもあります。

 

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